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TALK

フットサル委員会松崎康弘委員長と北澤豪副委員長が語る 「フットサルの魅力と日本フットサルの可能性」

FリーグCOO(最高執行責任者)を始め、フットサル委員会委員長、日本フットサル連盟副会長などを兼任する松崎康弘氏と、その松崎氏の右腕としてFリーグCOO補佐に就く北澤豪氏。日本フットサル界で舵を取る両者が、フットサルの魅力や日本フットサルの未来を語り合った。

インタビュー=本田好伸
写真=兼子愼一郎

エンジョイプレーヤーが楽しめるサイトに

——フットサルのエンジョイプレーヤーの皆さんが必要とされる様々な情報を掲載し、メンバーの無料登録もできる日本サッカー協会のエンジョイフットサル総合サイト「j-futsal」がオープンしました。このサイトはどういったことを目的としているのでしょうか?

松崎 昨年度までフットサルの選手登録はフットサル個人選手登録制度に基づき行われていました。これは2003年に始まったもので、当時はまだ全国リーグどころか、47都道府県のすべてにリーグがあったわけではなく、地域リーグも9地域そろっていませんでした。しかし、今日では全国リーグを開催するまでに至り、個人登録もフットサル普及に一定の役割を果たしたと考えます。。今後は二重登録などを防ぐなど、サッカーと同様にチームをベースとする登録をすることにしました。それとは別に、フットサルを愛する全ての人を対象に、エンジョイ登録をしていただこうとなりました。手軽さに加えて、登録料も無料とし、フットサルに関連する様々な情報が見られるようなサイトにしようと考えました。フットサルを楽しんでもらえる方が、これまでの何倍にも増えていってほしいという思いで立ち上げたサイトです。

——エンジョイプレーヤー登録をするとどんなことができるのでしょうか?

松崎 日本サッカー協会としてフットサルというスポーツを登録していただいた方に、フットサルの様々な情報を提供したいし、フットサルの情報交換もできるようにしていきたいと思います。すでにコミュニティーを形成して楽しんでいるたくさんの方々がいらっしゃると思いますが、もっといろんなところで交流を深め、情報を得ていただくことができますし、もっと多くのコミュニティーを生み出すことができると思います。

北澤 僕自身もフットサルコートにはよく足を運びますし、エンジョイプレーヤーの方々と一緒に蹴ったりするといった交流があります。そこで感じるのは、小さい範囲でのつながりも大切ですが、次の段階としてつながりをもっと広めていきたいなという思いです。このサイトを通じてそういった機会やアシストができると思いますし、一緒にフットサル界を盛り上げていくことにつながるのではないかと。サッカーファミリーとして、一つのグループ、チーム化を図っていくことがすごく大事になってくると思います。

——そういう意味では、これまで積み重ねてきたものが少しずつ形になってきたということでしょうか?

北澤 僕がプレーしていた当時(1989年の第1回FIFAフットサル世界選手権に出場)はミニサッカーでしたからね。もちろん、入口としては今でもそういう捉え方でもいいと感じていますが、より正しいルールを知ってもらうのがいいと思います。そしてその上で自分たち独自のローカルルールなどがあってもいいのかなと。

松崎 いいことを言いますね(笑)。まさにその通りで、まずはちゃんとした知識を持ってもらうことが大切だと感じています。

北澤 そういう部分では、12年のFIFAフットサルワールドカップにカズさん(三浦知良/横浜FC)が日本代表として参加したことで、例えば「パワープレー」という言葉やそのルールを本当に多くの人が知ったと思います。そこで初めて、「ただのサッカーのミニゲームではないな」と、そういうことを感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。このサイトでもそうやって紹介していければ、正しいルールを知った上でフットサルをより楽しんでもらえるのではないかなと思います。

フットサルにかける想い

松崎康弘氏

——では、フットサル界を先頭で引っ張っているお2人が、それぞれどんな思いを持って活動を続けているのかを聞かせていただけますか?

松崎 僕はフットサルと関わっておよそ30年になります。フットサルがまだサロンフットボールと呼ばれていた当時、指導者として、子どもたちが楽しくたくさんボールに触れられる機会を提供できるようにとの思いで関わりを持つようになりました長くフットサルの審判も務めてきましたので、フットサルの素晴らしさを肌で感じていました。これらをいろんな人に伝えて、もっと発展させていかないといけないというのは僕の使命かなと思っています。また、FリーグCOOとしては、フットサルを屋内最高峰のスポーツにしたいという思いがあります。そうしたグラスルーツの裾野を広げる部分と、トップカテゴリーのレベルを高めていくということですね。そしてもう一つ、僕自身が審判だったということもあり、競技のルールをきちんと伝えていかなければいけないと思っています。

北澤 僕はそのCOOを補佐する立場にありますが、サッカーとフットサルのどちらかに偏らないように、すべてを含めてのファミリーだという方向を打ち出していきたいなと思います。サッカーとフットサルは違うものだという考え方がありますが、もちろん競技としての戦略の部分などでの違いはあれど、(ボールを蹴るという)入口は同じでもいいのかなということは伝えていきたい。それはカズさんが伝えてくれた部分でもありますし、僕自身そうしたことを継続していった先に広がりが生まれますし、トップカテゴリーのレベルを高めることにもつながっていくのではないかなと思います。

松崎 本当にプレーされる方は増えていますよね。フットサルをプレーすることでいろいろな方とつながれますし、サッカーファミリーとしてもそういった距離を縮めることは大事な部分です。だからこそ、“フットサルが持つポテンシャル”は高いですよね。そういう意味では、Fリーグももっと盛り上がるはずです。選手は本当にうまいですし、彼らと一緒にプレーすると勉強になることばかりで、僕では歯が立ちませんから。盛り上がれる理由、つまりフットサルの魅力はたくさんありますので、それをどう伝えていくのかが我々にも求められていますよね。

——伝える側はもちろんのこと、見る側にも求められてくるものもありそうですし、「する」と「見る」の両方から盛り上がってくることが期待されますね。

松崎 例えば普段でも、テレビのコマーシャルの一幕にフットサルが出てきたりしますよね。つまり「フットサル」自体は皆さんが知っています。ですからその盛り上がりを「見る」スポーツとしての盛り上がりにいかにつなげていくかというのが今後の課題です。そのために露出を高めていくことはもちろんですが、こういったサイトに来てフットサルの情報を入手していただき、そこからFリーグの映像を見る、そしてフットサルの試合に行く、というように地道にやっていくことも大切です。一つひとつクリアしていき、より一般の方に認知してもらえればと思います。

北澤 そうですね。そしてエンジョイプレーヤー登録をする方々は、プレーヤーであると同時に観戦者でもあるので、時にはフットサルを育てていく側にもなれるはずです。つまり普段からプレーしている人たちが、フットサルをあまり知らない周囲の仲間を連れていって、「こうやって見るんだよ」と教えてあげるなどですね。プレーもできるし、盛り上げ方も知っているというのは大きな力です。このサイトもそういった意見交換をできるような場になっていければいいですよね。

北澤豪氏

——北澤さんはフットサルコートで一般のプレーヤーの方から声を掛けられることも多いのではないでしょうか?

北澤 むしろ自分から話し掛けています(笑)。もちろん話し掛けてくださる方も増えました。そこでフットサルの話をしたり、さらに話題が広がったり。それは若い世代だけではなく、僕と同世代、あるいはもっと上の世代までいます。そうした高齢の世代でこれからフットサルを始めるという方も多いですね。

——確かに、年齢も男女も関係なく一緒になって楽しめることがフットサルの魅力の一つでもありますね。

北澤 そうですね。まずはミーティングから始まり、みんなで一緒にご飯を食べてからフットサルをして、その後の夕食まで過ごしたら、それは素晴らしい一日ですよね(笑)。自分の好きなことをやりながらも健康を維持できる、といった具合に、ライフプランの一つとしてのフットサルと考える方も今後増えていくのではないでしょうか。

松崎 フットサルをプレーした後の楽しみまでを考えることはすごく重要です。サッカーにもそういう側面がありますが、より手軽に楽しめるという点でフットサルはもっと楽しめると思います。

日本フットサルを一緒に作っていく

——では、世界的に見た日本フットサルの立ち位置をお聞きしたいのですが、やはりトップカテゴリーの日本代表が強くなることが、フットサル自体の盛り上がりにつながっていく道筋でしょうか。

松崎 そういう意味では、FIFAの世界ランキングでも上位ですし、日本代表は決して弱くはないんです。ただ世界においてもフットサル自体の認知度はまだまだで、成熟し切ってはいません。日本も頑張りつつ、世界のフットサルもより広げていってもらう必要があります。

北澤 ある程度、歴史というのは必要ですよね。それに「世代」を作っていかないと上がっていかない。今まではサッカー出身の選手が日本代表になっていましたが、今後はフットサルを小さい頃からやっていた選手がそのままフットサル日本代表になることが重要です。そうやっていくことで世界を制することができるかもしれないですし、そうなれば逆に日本から世界にフットサルを提案できる可能性もある。なので皆さんには、そういった日本のフットサルを一緒に作っていけるということを感じてほしいですね。

松崎 今年、全日本ユース(U─18)フットサル大会が創設されるので、これでジュニアからユースまですべてのカテゴリーがつながりました。こうした現状やFリーグなど、日本のフットサル事情は他国のフットサルと比較しても非常に優れているんです。そうやってしっかりと土台が築かれてきている日本フットサルの素晴らしさを国内外の皆さんに伝えていくことが必要ですよね。

北澤 我々にはJリーグで培った経験もあります。日本のサッカーが世界と戦える状況まで引き上がったのは、Jリーグが積み重ねてきたものがあるからで、その経験をFリーグでも生かせるはずです。世界と戦えるようになっていく可能性は間違いなく高いですし、それをみんなで育てていける。今はまさに、“始まり”にいるということでしょうね。

——では最後に、エンジョイプレーヤーの皆さんへのメッセージをお願いします。

松崎 ぜひこのサイトをたくさん利用してください。徐々に皆さんが利用しやすいものにしていきたいので、日本サッカー協会のエンジョイフットサルのメンバーとしてサイトを一緒に良いものにしていってもらいたいです。フットサルを楽しみつつ、日本のフットサルをともに盛り上げていけると素晴らしいですね。

北澤 まずは自分も登録してみないと(笑)。ですのでその登録方法も含めて体感してみようと思います。皆さんには今後いろんな意見を聞かせてもらいたいので、最初に登録してくださる方々には本当に感謝したいですね。僕自身、こういう役目をもらいながらも、一人のフットサルが好きな人間なので、そういう感じ方も大事にして、皆さんと同じ目線でやっていきたいと思っています。

松崎氏、北澤氏

プロフィール

松崎 康弘(まつざき・やすひろ)

松崎 康弘(まつざき・やすひろ)

1954年1月20日生まれ、千葉県出身。2012年7月にFリーグCOO(最高執行責任者)に就任。フットサル委員会委員長、日本フットサル連盟副会長などを兼任。12年まで日本サッカー協会審判委員長も務め、フットサルでも84年から第一線の舞台で笛を吹き、日本人フットサル審判員の第一人者でもある。

北澤 豪(きたざわ・つよし)

北澤 豪(きたざわ・つよし)

1968年8月10日生まれ、東京都出身。豊富な運動量と旺盛な闘志を武器にJFL、Jリーグ、日本代表で長年活躍した。2002年に現役を退き、その後は日本サッカー協会特任理事兼国際委員などに着任。12年にFリーグCOO補佐に就任し、フットボール界のパイプ役として競技の普及に尽力している。