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2016/08/10

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子どもたちに“本物のフットサル”を知ってもらうために――。JクラブとFクラブのフットサル交流大会

今年の1月5日、小平市民総合体育館でU—12世代の新しい試みが行われました。それはJクラブとFクラブの小学生同士によるフットサル交流戦です。
参加したのはJリーグからFC東京と川崎フロンターレ、Fリーグからはフウガドールすみだと湘南ベルマーレ(P.S.T.C.LONDRINA)の4チーム。
JリーグとFリーグの垣根を越えた交流大会はどのようにして実現したのでしょうか。

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“サッカーも、フットサルも” フットサルスクールをきっかけに。

「子どもたちに本物のフットサルを味わってほしかったんです。」
こう語るのは、今回の交流会で中心的な役割を担ったFC東京の普及部・横江塁コーチです。
最初のスタートは2014年5月、FC東京が運営する「FC東京パーク府中」でフットサルスクールを開校したことでした。関東リーグの強豪チームでフットサル選手として活躍していた横江コーチは、その経験を買われてフットサル担当を任されました。

「サッカークラブなのでメインは当然サッカースクールです。ただJクラブがやっているということで信頼度もある一方、ボールに慣れていない子からは『レベルが高いのでは…』と敬遠されてしまうこともある。フットサルスクールを入り口に、ボールを蹴ることの楽しさを多くの子どもに伝えられたらというのがあります。」

ただ、サッカークラブのFC東京がフットサルスクールを開校した理由はそれだけではありません。横江コーチはサッカーがフットサルにもたらすメリットについて語ります。
「フットサル特有の技術、戦術を子どものうちに学ぶことによって、サッカーにおいてもプレーの幅や選択肢を広げられます。フットサルのボールは弾みにくくて、サッカーに慣れていない子どもでもコントロールしやすい。また、人数が少なくて、コートも狭いので、ボールタッチの回数も増えます。相手選手のプレッシャーがきつくなるので、より素早く判断することが求められます。」

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現在は小学校1・2年生、3・4年生、5・6年生の3カテゴリーで子どもたちにフットサルを教えています。開校以来、スクール生の人数も全カテゴリーあわせて100人以上と順調に伸びています。

「サッカークラブで子どもがプレーしている保護者の方からは、フットサルをやるようになって、自分で相手をはがせるようになった、シュートがうまくなったと言われることが多いです。」
そう言って、横江コーチは笑顔を見せます。ただ、こうも続けました。

「サッカーの指導者の中には、フットサルをやるとボールをこねくり回すとか、視野が狭くなってロングパスが出せなくなるとか、ネガティブな見方をする人もいます。そうした考え方を、FC東京というJクラブがフットサルスクールを行うことで、ちょっとでも変えていけたらなと思っています。」

交流大会をきちんとしたフットサルのルールで行う理由

フットサルスクールに通う子どもは順調に増えた中で、横江コーチはある企画の実現に向けて動き出します。それは、フットサルを専門に教えているFリーグのクラブと、フットサルスクールを持っているJリーグのクラブに声をかけた交流大会です。
「スクールの中でゲームをしたりはするのですが、実際の試合とはまた違います。フットサルをやっているチーム同志で試合をすることが、子どもたちのレベルアップにつながるし、JクラブとFクラブが交流するきっかけにもなるんじゃないかと。」

そして今年の1月5日、JリーグのFC東京、川崎フロンターレ、Fリーグのフウガドールすみだと湘南ベルマーレ(P.S.T.C.LONDRINA)の4チームによる交流大会が実現しました。
今大会はフローリングのピッチ、前後半10分ハーフのプレーイングタイム(ボールが外に出ている時間は時計が進まない)という試合形式、さらにはファウル数も累積カウントされ、6回目以降のファウルには相手に第2PKが与えられるという正規のフットサルルールで行われました。横江コーチがその理由を明かします。
「今大会の最大の目的はフットサルの試合を選手および指導者が体感することでした。そのために、できるだけFリーグの試合と同じような環境を用意しようと思いました。」

4チーム総当たりで行われた交流大会で優勝したのは湘南ベルマーレの下部組織として活動しているP.S.T.C.LONDRINA。横江コーチによれば、「ピヴォ(最前線の選手)にボールを当てて、ボールを運んでいくのがうまかった。」とフットサルの技術・戦術を活かしたプレーが光ったそうです。

交流会を通じて、横江コーチは子どもたちに何を伝えたかったのでしょうか。
「FC東京はサッカーのトップチームがあるので、そこをまずは目指してほしいと思っています。ただ、サッカーで上に行ける選手は限られています。そのときにサッカーをあきらめるのではなく、フットサルという選択肢があることを子どもたちに知っておいてほしい。FC東京の中でもサッカーを選べる、フットサルを選べるという環境を充実させていきたいというのが僕の今の思いです。そうすればフットサルをプレーする人数も増えてくるし、サッカーをやっている子たちの視野も広がるんじゃないかと思っています。」

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対戦結果

FC東京フットサル交流戦(U-12)
FC東京 4 – 8 フウガドールすみだ
P.S.T.C. LONDRINA 3 – 3 川崎フロンターレ
フウガドールすみだ 5 – 6 P.S.T.C. LONDRINA
FC東京 6 – 5 川崎フロンターレ
川崎フロンターレ 4 – 15 フウガドールすみだ
FC東京 3 – 6 P.S.T.C. LONDRINA

プロフィール
横江塁(よこえ・るい)
1980年7月29日生まれ。東京都出身。東京ガスFCユースでプレーし、99年より普及部アシスタントコーチとして指導にあたりながら、フットサル選手としても活躍。11年に普及部へ加入し、サッカーやフットサルでの経験を活かした丁寧な指導を通じて魅力を伝えている。JFAフットサルインストラクターも務める。

関連リンク

>> FC東京パーク府中