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2016/11/07

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サッカーやフットサルが社会課題の解決にいかに貢献できるか?3時間半におよぶ熱い議論。~シンポジウム「一つのボールが人生を変える」~

10月22日(土)、損保ジャパン日本興亜本社ビル2階大会議室にて、シンポジウム「一つのボールが人生を変える」が開催されました。
このシンポジウムは、スポーツ・文化・ワールド・フォーラムの公式サイドイベントとして、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けて、貧困や障がい、引きこもりなど社会課題を解決するツールとしてのサッカーやフットサルの価値を確認・発信するもので、主催はスポーツフォーソーシャルインクルージョン実行委員会と、認定NPO法人ビッグイシュー基金。損害保険ジャパン日本興亜株式会社が協力、公益財団法人日本サッカー協会が後援しています。当日はボランティア活動に興味のある方々をはじめ、ダイバーシティカップにプレーヤーとして参加した方たち、サッカー協会のサイトなどを見て訪れた方たちなど、約80人が参加しました。

20161107_1シンポジウム当日はダイバーシティカップに参加した選手など約80名が講演を聞き届けた。

ホームレスの人生を変える、世の中の見方を変える。

シンポジウムの始まりは、日本サッカー協会会長で国際サッカー連盟理事の田嶋幸三氏の挨拶。「ここに集まってくださっている皆さんは、僕はサッカーファミリーだと思っています。」と語りかけました。
「日本に限らず世界中にある社会的課題を解決していくツールとしてサッカーが使われるとすれば、我々サッカーに関わる者にとって本当にありがたいことであり、誇りに思います。4年後には東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。サッカーやスポーツの持つ価値はますます高くなっていく。この機会に、ホームレスの方々のサッカーや、ダイバーシティの様々な多様性を持った方たちのサッカーに、もっともっと私たちも後押ししていく必要があると思っています。今後ますます、我々日本サッカーのファミリーとして、皆さんにも入っていただきたいし、我々もサポートしていきたいと思っています。」

日本サッカー協会のトップによる、この力強いサポート宣言に、会場の空気はパッと明るくなったようでした。その熱の冷めやらぬ中、第一部として、ホームレス・ワールドカップの国際パートナーシップ・マネージャー、レイチェル・メイ氏が「A ball can change the world」と題した基調講演を行いました。

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「ホームレス・ワールドカップは、人生を変えるような経験を提供することと、世の中の人のホームレスを見る目を変えることを目的としています。2016年のグラスゴーの大会でレフリーを務めた方は元ホームレスで、選手としてこの大会に出場経験がありますが、今はホームレス状態を脱して大会のレフリーとして活躍しています。また、2008年のメルボルン大会で観客は10万人を超え、2016年には330万人がオンラインで試合を観戦しました。そのうち84%の観客が、ホームレスに対する考え方がポジティブに変わったと答えています。」

ホームレス・ワールドカップは、独自の競技場とルールで行われます。フィールドは縦22m×横16mで、ゴールのサイズは高さ1.3m×横4m。一度にピッチに立てるのは最大4人。フィールドプレーヤーが3人とゴールキーパーが一人で、交代は自由なところはフットサルと似ていますが、最も特徴的なのはフィールドが高さ1.1mの外壁に囲まれていることで、コートから出なければ文字通りの壁パスといったプレーも可能な点です。講演では大会のビデオも流され、参加者は興味深そうに見入っていました。

シンポジウムはアットホームな場に。「ファミリーになった感覚がある」

そして第二部はパネルディスカッション。ホームレス・ワールドカップ日本代表・野武士ジャパンのコーチでビッグイシュー基金理事の蛭間芳樹氏が司会進行役を務め、レイチェル・メイ氏のほか、アーティストで日本サッカー協会社会貢献委員会委員長の日比野克彦氏、沖縄でダイモンカップカップという女性のフットサル大会を開催して社会貢献活動している糸数温子氏、そしてホームレスや被災者、難民、鬱や引きこもりといった様々な社会的困難の背景を持つ人たちのフットサル大会であるダイバーシティカップを運営するビッグイシュー基金の長谷川知広氏らが登壇し、社会課題解決にサッカーやフットサルがいかに貢献できるかを熱く語りあいました。

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「スポーツって、勝てば嬉しいとか、負ければ悔しいとか、ある種動物的な戦いに心を奪われて感動するというのが、一番の面白さ。それはプロスポーツでなくても、アマチュアでも誰がやっても相似形の感動がある。プレーする本人だけでなく、応援することまで含めてのスポーツで、感動を共有できるからこそ社会的に大きな意味がある。」(日々野氏)

「コートにいる時はその人の属性が無効化される。そして努力が目に見えて分かる。『最近トラップ上手くなったよね』とか、個人の頑張りに対して声かけをしてあげられる要素が大きい。そうすることで、『ここにもう一回来たい』と思ってくれる。誰でも参加しやすいし、そこがスポーツの良いところですね。」(糸数氏)

「スポーツで重要なのは、チャレンジする、失敗することができること。シュートを外しても、『ナイスシュート、よく打った』と褒めてくれる。失敗しても人生が否定されるわけではないから。引きこもりや、うつの人たちでも、サッカーをすることでコミュニティが持てて、切磋琢磨するということが重要。」(長谷川氏)

「社会問題に、スポーツがいかに立ち上がってアクションしていくかが大事なこと。サッカーでなくてもいいのですが、サッカーはシンプルで、ボール一つでゲームが成立します。現状はフットサル、ホームレス・ワールドカップが一定の成果を上げているので、継続していきたいと思っています。」(メイ氏)

最後に登壇者と参加者が交流するネットワーキングを経て、3時間半に及ぶシンポジウムは盛況のうちに終了しました。主催者の立場でもある長谷川氏は、「アットホームな場で、今までファミリーでなかった人たちもファミリーになった感覚があるので、すごく嬉しい場になりました。ホームレスサッカーも、女性の貧困も、なかなか注目されない部分ですが、そこでなぜサッカーなのかというのを、みんなで価値を確認できたことは収穫だと思います。」と語りました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、着実な一歩が刻まれました。

シンポジウム概要
・日時:2016年10月22日(土)13:30-16:30(受付:12:30~)
・場所:損保ジャパン日本興亜本社ビル2階 大会議室
・参加費:一般3000円、学生2000円
・内容
 <主催者挨拶>蛭間芳樹氏(野武士ジャパンコーチ、世界経済フォーラム ヤング・グローバル・リーダー2015)
 <挨拶>田嶋幸三氏(日本サッカー協会会長、国際サッカー連盟(FIFA)理事)
 <第1部>基調講演「A ball can change the world」
  ・ レイチェル・メイ氏(ホームレス・ワールドカップ、国際パートナーシップ・マネージャー)
 <第2部>パネルディスカッション「一つのボールが人生を変える」
  ・ モデレーター:蛭間芳樹氏
  ・ パネリスト
   糸数温子氏(一般社団法人daimon代表)
   日比野克彦氏(アーティスト、日本サッカー協会社会貢献委員会委員長)
   長谷川知広氏(ビッグイシュー基金・ダイバーシティカップコーディネーター)
<第3部>ネットワーキング(登壇者・参加者交流)

後援:公益財団法人日本サッカー協会
協力:損害保険ジャパン日本興亜株式会社
主催:スポーツフォーソーシャルインクルージョン実行委員会、NPO法人ビッグイシュー基金

関連リンク

>> 野武士ジャパン(ダイバーシティカップ)
>> 沖縄発女子フットサル大会 daimon cup ダイモンカップ
>> スポーツ・文化・ワールド・フォーラム