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2017/04/18

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震災復興のフットサルイベントが紡いだ、福島と横浜の女子高生の絆は未来へ。

横浜市立みなと総合高等学校(横浜市中区)の女子フットサル部を中心に、フットサル情報サイト「スマイルフットサル」のサポートを受けて2012年に始まったのが「スマイル×みなと総合高校=200%東北復興支援イベント」。2017年は3月20日に第6回目のイベントが開催されました。

20170418_1この日は福島県立富岡高等学校女子サッカー部OBの渋谷帆香さんらが、みなと総合高等学校女子フットサル部のメンバーたちとフットサルを通じて交流を深めた。

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今回の復興支援イベントは、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響で、2016年3月末をもって休校となった福島県立富岡高等学校の女子サッカー部のメンバーも招待されました。参加したのは渋谷帆香さん、佐藤優さん、鈴木美紀さん、二ノ宮千穂さん、秋元遥さんの5人。復興支援イベントの前日3月19日(土)のお昼過ぎに横浜市中区のみなと総合高校に到着した、渋谷さんと佐藤さんに取材に応じてもらいました。

20170418_22016年10月、「福島の復興・創生に関する高校生と九都県市意見交換会」でプレゼンテーションするみなと総合高校女子フットサルのメンバー。

今は高校時代に叶えられなかった全国大会での勝利が目標

「富岡高校を3月1日に卒業して、今は二人そろって青森県の大学に進学してサッカーを続けています。まだ練習に慣れていないこともあり、体力的に厳しいと感じることもあります。ただ、富岡高校のときに走り込みの練習をたくさんこなしていたので不安はありません。こうしてまたこのように、復興支援イベントにも参加させて頂き、感謝しています。」

富岡高校女子サッカー部は、部員が足りずに11人制の公式戦を8人だけで戦ったこともあります。相手チームは11人のメンバーが揃っていました。当然、8人の富岡高女子サッカー部は、一人ひとりが味方をカバーしなければ試合には勝てませんが、5人はそれでも勝つという経験をしたことがありました。

富岡高校女子サッカー部は第23回全日本高校女子サッカー選手権の出場を果たしましたが、全国大会で1勝を挙げることができませんでした。「だから、まずは全国で1勝したいんです。」と語るのは渋谷さんと佐藤さん。今の目標は「全日本大学女子サッカー選手権大会で勝つことです。」と教えてくれました。彼女たちはすでに未来へと走り始めていました。

これまでの活動の大きさを実感する機会となった、九都県市首脳の意見交換会でのプレゼンテーション

富岡高校の渋谷さんと佐藤さんらと復興支援イベントを通して親交を深めてきたのが、みなと総合高校を3月に卒業した女子フットサル部の柴本あゆみさんと野村奈央さんです。

「今日は(渋谷さんと佐藤さんに)ホームステイしてもらいます。イベントの準備は、私たちは卒業してしまったので後輩たちに任せていますが、みんな主体的に行動することができていて、とても成長していると思いました」(柴本さん)

「みなと総合高校の女子フットサル部は競技だけをやっているのではありません。このようなイベントが開かれることによって、年齢や性別に関係なく様々な人たちと触れ合う機会があり、多くのことを学ぶことができます。」(野村さん)

みなと総合高校の女子フットサル部は、復興支援イベントがきっかけとなり、2016年10月には「福島の復興・創生に関する高校生と九都県市意見交換会」において、関東1都3県5市の知事や市長の前で活動報告を行う機会を得ています。柴本さんと野村さんは口を揃えてこう振り返ってくれました。

20170418_3イベントのハーフタイムパフォーマンス後の集合写真。富岡高校の卒業式に掲げられていた『復校富高』のバナーをみなと総合高校の書道部の協力で再現した。

「このときは分かりやすく伝えることを意識しながら準備を進めていきました。一つひとつの言葉を見直し、リハーサルを繰り返しました。発表が終わった後には、知事の方から復興支援イベントを評価するお声を掛けて頂き、そこで改めてこれまでの活動の大きさを実感することができました。」

フットサルを通して笑顔を広げていきたい

高い評価を受けた復興支援イベントを受け継ぐ、みなと総合高校の女子フットサル部員はどのように感じているのでしょうか。新3年生の平塚沙希さんと坂田三奈さんはこう話します。

「こうして取材を受ける機会もあり、注目されているのを感じます。いいイベントにしたいという思い、そして少し不安な気持ちもあります。私たちは今回で2回目の参加になりますが、去年は1年生だったので、当日のイベントで頑張ること、に主眼を置いていましたが、今年は自分たちがイベント開催日前から積極的に携わっている実感があります」(平塚さん)
「来年以降は富岡高校が休校になってしまうこともあり、どうなるのかは分かりませんが、6年も続いているイベントなので終わらせたくない気持ちはあります。フットサルを通してたくさんの人が笑顔になってくれるのが嬉しいんです。」(坂田さん)

20170418_4イベントのハーフタイムにパフォーマンスをしてもらったダンス・ボーカルグループPrizmaX(スターダストプロモーション所属)の皆さんと一緒に記念撮影。

支援をする側、受ける側ではなく、未来は一緒に作っていく

みなと総合高校で女子フットサル部の顧問をつとめる蛭田祥友先生は、最後にこんな話をしてくれました。

「女子フットサル部では、そのときにいる部員が、自分たちのできることをやろうという趣旨で、これまで色々な活動をしてきました。地道に続けてきた結果、首都圏の知事などの前でプレゼンテーションをする、という名誉のある舞台にたどり着くこともできました。評価されたことは生徒たちにとって自信になったことでしょう。しかし、来年も継続できるかはまだ分かりません。確かに、2016年度で富岡高校が休校になることは一つの区切りになると思います。」

大切なのは「なんのためにこのイベントをやっているのか」だと蛭田先生は話します。富岡高校の統合先となる、ふたば未来学園も、みなと総合高校も、総合学科の高校という縁もあり『福島の復興・創生に関する高校生と九都県市意見交換会』のプレゼンテーションでは、フットサルだけではなく、学校全体がつながっていくという提案をしたそうです。フットサルを通じた復興支援イベントが、学校同士を密に繋げるきっかけになる。そんなふうに発展し、実現する日がやってくるかもしれません。
(取材日 2017年3月19日)