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2017/04/25

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コートが限られる台東区をフットサルが盛んな街に――。台東区フットサル選抜チーム「F.S.TAITO」の挑戦。

2017年は台東区が発足して70周年に当たる記念すべき年です。
1947年に旧東京市の下谷区と浅草区が合併して誕生した台東区は、上野の山にある文化芸術施設(博物館や美術館)、浅草の伝統芸能、そして江戸三大祭の一つである浅草神社の「三社祭」など、古くから東京都の芸術、芸能、文化の中心として栄えてきました。

そんな台東区でフットサルを中心としたフットボールを根付かせようと活動をしているのが、台東区サッカー連盟フットサル部の皆さんです。

今回は台東区フットサル選抜チーム「F.S.TAITO」の練習にお邪魔して、フットサル部・副部長の松浦孝太郎さんに、台東区のフットサル事情を話してもらいました。

20170425_1台東区フットサル選抜チーム「F.S.TAITO」の選手たち。25歳から40歳まで19名が所属し活動している。

台東区にはボールを蹴れる場所があまりない

台東区サッカー連盟でフットサル部・副部長を務める松浦孝太郎さんは、浅草生まれ、浅草育ちという生粋の浅草っ子。

「浅草といえば観光地です。昔の浅草はお年寄りと外国人観光客がほとんどでしたが、今は浅草が若い世代からも注目されています。近くにスカイツリーができて、浅草に若い人たちが遊びに来るようになってきました。」

古き良き時代の東京。その代表格である浅草は時代とともに変遷してきました。ただ、変わらないものがあった、と松浦さん言います。

「実は、サッカーのフルサイズのスペースがとれるコートは台東区内にはほとんどありません。私は大学在学中から少年サッカーのコーチを始め、埼玉で指導をしていました。やがて地元に戻ってきて台東区の子どもたちにもサッカーを教え始めたのですが、私の幼少期と比べてもサッカーをプレーできる環境はほとんど変わっていないんです。私たちが子どものときは小学校でボールを蹴ることがほとんどできませんでした。多くの学校の校庭や体育館でボールを蹴ること自体が禁止だったのです。今は小学校でボールを蹴ることはできるようになりましたが、台東区内の小学校のほとんどは校庭がラバーコートになっています。テニスのコートのようなイメージです。それでは子どもたちが思いっきりサッカーを楽しむことができません。」

松浦さんが小学生だった頃は、台東区内にあった少年サッカーチームは2つだけ。今はクラブチームが1つ増えたとはいえ、スポーツ少年団のように、地域の大人たちがボランティアで運営しているようなサッカーチームは30年前と変わらず2チームだけ、という現実があるそうです。

サッカーができなくても、フットサルならば楽しめる。

台東区サッカー連盟は、このような区のフットボール環境を変えようと考え、2014年4月にフットサル部を立ち上げました。

「台東区サッカー連盟は、ずっと台東区のフットボールシーンを盛り上げたいとの思いで活動してきました。ただ、どうしても活動場所に制限があるという問題をなかなか解決することができませんでした。ところが、こうした状況のなかで、フットサルという狭いスペースでも楽しめる競技の人気が出てきたのです。そして、幸いなことに台東区内には、一つだけフットサルコートがありました。」

強いフットサルチームをつくって、台東区のフットサルを盛り上げたい

フットサル部を設立した後は「どうやって、台東区にフットサルを広めていけばいいか?」をテーマに協議を進め、やがて台東区フットサル選抜チーム『F.S.TAITO』の誕生に繋がりました。

「地元に強いチームがあれば盛り上がるのでは、との思いから2015年に活動をスタートさせました。楽しむというよりも『本気でやりましょう!』という意気込みのチームです。その甲斐あって、その年に開催された『第11回東京都地区フットサルフェスティバル』で準優勝し、東京都代表として全国大会に参加することになりました。いきなり全国大会に出ることになり、チームは大騒ぎでしたね(笑)。現実問題として活動費用を何とかしなければいけないという問題もありましたが、台東区の企業や個人の方々に相談に乗っていただき、全国大会に出場するためのユニホームの作成から練習場所の確保、遠征のための費用を捻出することができたのです。」

『F.S.TAITO』は現在、チームの平均年齢が32歳。25歳から40歳までの19名の選手が所属し活動しています。そのうち6割の選手が台東区に所縁のある選手です。
2016年1月からは、小学生や中学生を対象としたフットサル教室の開講や、チーム主催のフットサル大会を毎月開催するなど活動の幅を広げています。また、台東区の都立忍岡高校にフットサル部があるため、今後、合同練習をするなど交流を深められるように話を進めているといいます。

20170425_2フットサル部主催の浅草ROXで行われたROXcupに参加した小学生の部

現在、フットサルチームとしての公式戦は年間10試合程度にとどまっていますが、近隣の足立区や葛飾区で活動するチームと練習試合を行い、交流を深めています。また来期(2018年度)には東京都フットサルリーグの加盟を目指し準備を進めているところです。

芸能のまち浅草にスポーツの文化を根付かせたい。

本格的な活動をスタートさせたばかりの台東区のフットサル部、そして、シンボルチームである『F.S.TAITO』の取り組みですが、松浦さんは今後の目標についてこう語ります。

「台東区を、小学生からシニアまでが、いろいろな場所でフットサルを楽しむことのできる環境にすることが夢です。小学校にも中学校にもフットサル部ができて、コートも増えてほしい。現実的にはサッカーを思う存分プレーできるだけの環境はなかなかつくるのは難しいので、狭いスペースでも楽しめるフットサルが根付いてくれたらいいなと思います。台東区は浅草に代表されるように芸能の盛んなまちです。フットサルにも芸能のように人々を楽しませられる要素が含まれていると感じます。台東区の人たちがフットサルを思う存分楽しめる環境を整えていきたいです。」

(取材日:2017年2月21日)