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2017/07/14

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フットサルを楽しみ、成長する女子中学生たち。栃木の女子フットサルの普及役を担う、中学世代の3チームとは?

7月2日に開幕を迎えた「第13回栃木県女子フットサルリーグ」。栃木県の女王の座を争うこの公式リーグは、参戦6チームのうち3チームが中学世代のチームと若い女子選手たちがリーグを盛り上げていています。国内のサッカー界では、中学世代の女子選手の「受け皿不足」が叫ばれて久しいですが、栃木の女子中学生たちの中にはフットサルリーグに活躍の場を見つけ、プレーを楽しみ、日々、成長を続けている選手たちがいます。

リーグに参戦するのは、10年目の宇都宮市立泉が丘中学校、5年目の足利・両毛ローザFC、2年目のTiaraLSCの3チームです。大人のチームが交じるこの公式リーグで、時には苦戦をすることもありますが、選手たちは決して諦めません。ほとんどの選手が3年間プレーを続け、皆、「フットサルは楽しい」と口をそろえ、高校女子サッカーなどの新たなステージに進んでいきます。

20170714_1開幕戦では泉が丘中と足利・両毛ローザFCが激突。選手たちが真剣な表情でボールを追った

リーグ戦参戦は10年目となる泉が丘中学校女子サッカー部

参戦歴が最も長い泉が丘中学校は、県内公立中学校で唯一の女子サッカー部です。サッカーの公式戦には参戦せずに、フットサルを活動の中心に据えています。もちろん同校に通う生徒であれば入部の制限はありません。毎年5人程度の入部があり、創部以来、県内の女子フットサル普及に大きく貢献してきました。
「創部当初は道具が何もそろっていなくて、自費でフットサルゴールを購入したのは懐かしい思い出です」。初代監督として2008年から7年間、チームを率いた保沢貴弘教諭(44)=現宇都宮市若松原中学校教諭=は当時をそう振り返ります。同校の男子サッカー部顧問が「男子の部員に交じってボールを蹴っている新3年生の女の子が5人いる。活躍の場をつくってあげたい」と行動を起こしたのが2008年の年明けのこと。チームはその春に活動をスタートしました。

試合ではなかなか勝てない日が続きました。しかし、保沢監督の「フットサルは生涯楽しめるスポーツ。楽しいもの」という熱い思いを受け止めた選手たちは、ボールを追い続けました。大半の選手は初心者で入部してきますが、「勝てないから」と退部してしまう選手はほとんどいません。3年間プレーを続け、卒業後、県内の高校女子サッカーチームで中心的役割を担うようになった選手も何人もいました。

20170714_2試合後のミーティングで山川外部コーチ(右)の話を聞く、泉が丘中の選手たち。試合には敗れたが選手の目に落胆はなかった

そして1年前からは梅澤奈津希教諭(29)がチームを率いています。梅澤教諭も顧問を任されるまでフットサルには触れたことはありませんでした。しかし、「ゴールが決まった時の喜びは監督も選手も一緒」とフットサルを満喫しています。「自信を持ってプレーできる選手を育てたい」と梅澤教諭。外部コーチ歴7年の山川吉男さん(49)と二人三脚で選手たちにフットサルの楽しさを教えています。

参戦10年目の記念すべきリーグ開幕戦は、奇しくも同じ中学世代のライバル、足利・両毛ローザFCと対戦。試合は惜敗となりましたが、試合後、チームを指揮した山川さんは「いい試合だった。これからも練習で足元の技術を磨いていこう」と選手の健闘をたたえました。
現在部員は3年生8人、2年生3人、1年生6人の17人。1年生が入部してくる前は、3年生の部活動引退後の活動が危ぶまれましたが、夏以降の存続も決まりました。現主将の山本愛佳さん(14)は「初心者で始めて、先輩のプレーを真似して頑張ってきた。3年生になって主将の重圧とか、活動休止の心配とかもあったけどフットサルは楽しい。高校に行ってもできれば続けたい」と迷いなく話します。一方、フットサル歴3カ月の1年生・根岸美結さん(12)は「父と弟がサッカーをしていて、自分でも中学からサッカーをしたいと思っていた。3年間頑張って、みんなから頼られる選手になりたい」と目を輝かせました。

20170714_3開幕戦は応援に回った泉が丘中の1年生たち。今春、6人の入部があり、部の存続も決まった

地域の女子サッカーの受け皿に

一方、足利・両毛ローザFCとTiaraLSCのクラブチーム2チームは、地域の女子サッカーの受け皿役を担っています。足利・両毛ローザFCは南西部、両毛地区の中学生21人が所属。参戦当初は選手数が少なくフットサルの活動を取り入れましたが、選手数が増えた今もリーグ参戦を続けています。チームの加藤玲子専務理事(49)は「選手たちが将来プレーを続けていく上でフットサルの技術は間違いなく必要」と話し、「いずれOGたちがチームに戻ってきてフットサルを楽しんでほしい」との思いを口にしました。
TiaraLSCは北部、塩谷南那須地区の中学生11人が所属しています。小学生時代に地区のトレセン活動に参加していた選手たちが中心で、現在、選手たちは中学校の部活動と両立しながらフットサルを楽しんでいます。鈴木清典代表(50)は「選手たちにとって両立はすごくハードなはず。長い目で選手を見ていければ」と胸の内を明かしました。

生徒であれば誰でも入れる部活動として、そして地域の実情に合わせた受け皿として、フットサルの普及役を担っている中学世代の3チーム。彼女たちのフットサルを楽しむ姿が、今、栃木のフットサル界の大きな「財産」になっています。

20170714_4参戦2年目のTiaraLFC。サックスブルーのユニホームを着た選手たちは果敢に社会人チームに向かっていった