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2018/12/14

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多様な背景を持つ人たちがフットサルを通じて交流する「場」~第5回ダイバーシティカップ開催レポート

10月21日(日)、第5回ダイバーシティカップがフットサルステージ(東京都多摩市)で行われました。ダイバーシティカップは、多様な背景や社会的困難や不利を抱えている人たちが、心身の健康を取り戻したり、社会復帰への意欲を取り戻したりするための、きっかけ作りの場になるフットサルイベントです。

認定NPO法人ビッグイシュー基金が中心となって2015年に第1回大会が行われてから3年が経過し、これまでに延べ1000人以上が参加するフットサルイベントとして認知されてきました。

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5回目を迎えた今大会も、関東や東北から10のチームがエントリーし、様々な背景を持った当事者や支援者が、試合の勝ち負けだけにこだわらず、それぞれのスタイルにあった形でイベントを楽しんでいました。

今回、j-futsalでは2つのチームをピックアップ。福島県で活動する若年者の支援団体が複数集まってフットサルチームを結成した「FYO」と、日本で暮らす難民等定住外国人の自立支援を行っている「社会福祉法人さぽうと21」の学習支援室参加者有志で結成したフットサルチーム「FCさぽうと」のメンバーの方にチームを紹介してもらいました。

自分自身の中にある参加意義を形にできる居場所~FYO(福島県)鈴木綾 さん

今回のダイバーシティカップに参加しているメンバーは、ひきこもりの就労支援施設や原発事故の避難障害者の就労支援団体、若者の自主ゼミサークルなど4つの団体の職員やメンバーで構成されています。

あるメンバーの話では、普段は職場や施設に通うだけの生活で広がりがありません。生活にメリハリがないと聞きます。そのような日常にダイバーシティカップがあることで、参加するために練習会を開くなど、地元で施設の垣根を越えた交流の場がつくれます。練習の機会を作るのは大変ですが、ダイバーシティカップに出場するという目標があると、地元で練習をしようとするきっかけが生まれ、メンバーが協力して練習場所を確保したり、練習を考えたりするなど、それ自体が楽しさの一つになっていきます。

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このチームには、普段の立場や所属団体などは関係なく、みんなで場をつくろうという雰囲気があります。これまで地域になかったものが生まれることに僕は意義を感じています。フットサルなどのスポーツを通じた個人の成長もありますが、それ以上にスポーツをする機会が創出されることも大切だと思います。実際にメンバーも、仕事以外の場所でいろいろな人とふれあう機会ができるのがとても嬉しいと話しています。

僕たちのチームの中には、様々な障害をもった人がいます。スポーツをすることや遠征に出かけることが苦手なメンバーもいます。そこでフットサルをプレーすることだけにこだわるのではなく、応援旗をつくったり、応援グッズをつくったり、各自が無理することなく、いろいろな形で参加できるよう心がけて、みんなと場を分かちあえるための工夫をしています。

一人ひとりが、フットサルを楽しみたい、体力をつけたい、人とふれあいたいなど、その場の意義は参加する各自が持っていると思います。なので、誰かが場の目標や他者の参加の意義を定めることはありません。各自が、そこに意味を見出して参加しています。その方が、みんなの尊厳が保たれると思うからです。ダイバーシティカップを利用して、僕がこうしてあげよう、これを通じて成長してもらおう、と押し付けるのはおこがましいとと思うし考えたこともありません。

フットサルを通じて多様な人々と出会う~FCさぽうと(東京都)佐々木真也さん

日本で暮らす難民等、定住外国人の自立支援をする社会福祉法人「さぽうと21」によるチームです。さぽうと21は、定住外国人が日本で生活するために必要な日本語の習得を通じて、皆さんの自立に必要なお手伝いをしている団体です。団体の発足時はベトナム、ラオス、カンボジアからのインドシナ難民の自立を支援する団体でしたが、今は難民や日系定住者、中国帰国者等の支援をしており、学習支援室にはミャンマーを中心にさまざまな国にルーツをもつ方々が参加しています。

学習支援室のボランティアとして参加する私がとくに難しさを感じるのは、宗教的な問題で環境に馴染めない場合があることです。日本社会の生活環境にどこまで合わせられるのか、合わせられなかった時はどうするのか、という問題があります。子どもたちは比較的早く溶け込むことができるようですが、大人は、日本の環境に馴染むことができない場合があるように思います。

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フットサルは当事者同士や日本人との交流にもなりますし、難民の子どもたちが自分らしく、伸び伸びと、大好きなスポーツを楽しむ機会にもなります。また、様々なバッググラウンドを持つ方との貴重な出会いの場にもなると思います。それにもともと、多くの国で、サッカーは人気のスポーツなので、フットサルにも馴染みやすいようです。

今回、ダイバーシティカップに参加した小中高生たちを見ていると、好きなことをやっているので、みんな表情が生き生きしていますね。まだ来日してから間もない子どもも、言葉は通じませんが楽しんでいる様子がわかります。

これからもフットサルをコンスタントに継続できればいいのですが、私たちの力だけでは、なかなか難しいのが実情です。ビッグイシューさんや活動に賛同してもらっている企業からの誘いがあれば年に3、4回程度フットサルをプレーすることになるでしょう。

ダイバーシティカップのような交流の場にお誘いしてもらえるのはありがたいことです。まだまだ周囲のサポートが必要なので、スポーツをやりたい子どもたちがたくさんいることをアピールしていけたらいいですね。

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表彰式の様子。