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COLUMN

日本一が決まる全日本選手権大会 この大会からフットサルの歴史は変遷していく

 日本一のフットサルチームの称号を懸けて争われる大会、それがPUMA CUP 全日本フットサル選手権大会(通称PUMA CUP)だ。各地域で予選大会が行われ、勝ち上がった9地域14チームと、Fリーグの10チームによって決勝大会が争われる。サッカーで言う天皇杯の位置づけとなる同大会は、チャレンジャーとして戦う地域の意地とFリーグのプライドが激突し、毎年のように激戦が繰り広げられている。

 PUMA CUPは今年3月に行われた大会で、通算19回目の開催となった。2007年のFリーグ開幕以前もトップレベルの選手たちが凌ぎを削り、数多くの日本代表選手、突出した若手選手などが輩出されてきたが、Fリーグ開幕以降は、“地域対F”という構図が色濃く醸成され、下克上を意味する“ジャイアントキリング”も度々生まれている。

 その最たる例が、Fリーグ勢を次々に撃破した末に、決勝戦で名古屋オーシャンズを打ち破った09年大会のFUGA MEGURO(関東地域代表/現フウガすみだ)だ。彼らの勢いと一体感は会場を巻き込み、フットサル史に残る記録を打ち立てた。

 そうした醍醐味を持つ大会が今、徐々に変化してきている。今年の第19回大会では地域勢がFリーグのチームに肉薄する場面こそ見られたが、勝利を手にするチームはなかった。地域勢が一矢報いる試合が減ってきているという現状は、一方でトップリーグであるFリーグのレベルが向上しているということを示している。

 そんなFリーグ勢の中でも、今大会で優勝し、大会連覇を遂げた名古屋オーシャンズの強さは飛び抜けている。準決勝でバルドラール浦安に11─1で大勝すると、エスポラーダ北海道との決勝戦では、リードを許しながらも冷静な試合運びで4─2と逆転勝利を収めた。名古屋以外のチームはリーグ7連覇中の彼らを倒そうと躍起になり、日々力を付けているにも関わらず、それでも敵わない。そうした現状は、「このままではいけない」という各チームのプライドを刺激し続けているという側面がある。

 国内フットサルにおける“名古屋1強”が改めて示された今年のPUMA CUPだったが、それはすなわち他チームを感化した大会だったとも言える。来年度の大会で名古屋が3連覇を達成するのか、新王者が誕生するのか。大会を終えてフットサル界に新たな見どころが生まれ、そしてまた新たな歴史が刻まれていく。

文・写真=本田好伸